尖圭(せんけい)コンジローマとは
尖圭コンジローマはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染による良性のウイルス性疣贅(ゆうぜい=イボ)ができる病気です。性交などによって感染する性感染症のひとつで、性器や肛門のまわりにイボができます。多くはイボの見た目(視診)で診断できます。しかし、判断が難しい場合もあり、一部を切除して顕微鏡検査で判定することもあります。
尖圭(せんけい)コンジローマの症状
肛門の周囲にかゆみ、痛み、出血などを伴う径1~3ミリ前後の大きさの小さなイボが生じます。イボは性器の外側や内側にも発生してしまいます。形成されるイボは乳頭状(乳首のような形)の形のほか、ニワトリのトサカやカリフラワーのような形状になることもあります。
尖圭(せんけい)コンジローマの治療法
性的パートナーがいる場合は、パートナーも感染していることが多くあるので、基本的に尖圭コンジローマの治療はパートナーと一緒に来て頂くことが大切なポイントとなります。治療方法は薬による治療法と外科的な治療法の大きく2つに分かれており、イボの場所や症状などに応じて選択していきます。
たとえ再発したとしても、根気よく病院に通って治療を続けていくことが大切です。目に見えるイボがなくなったとしても、3ヵ月以内に約25%が再発するといわれています。
薬による治療法
抗ウイルス作用のあるクリームを患部に塗布して治します。
外科的な治療法
イボを外科的に切除したり、電気で焼いたりして治療していきます。肛門内部にも病気が認められる場合など、広範囲にわたって多発しているような状態ならば、入院した上で腰椎麻酔をかけての手術が必要となりますが、散発する程度までであれば外来で局所麻酔を用いて治療することができます。
尖圭(せんけい)コンジローマの注意点
肛門尖圭コンジローマの注意点
肛門尖圭コンジローマが他の人に感染する病気であることを知らない人もたくさんいます。患者さまにはサウナや大衆浴場の利用を控えていただき、治療中の性行為なども禁止となります。バスタオルからの感染リスクもあり得ますので、共有しないようにしてください。性的パートナーがいる場合は、高確率でパートナーへの感染が考えられますので、たとえ、自覚できるような症状が見られなくても、必ず専門医の診察を受けるようにすすめるようにしましょう。
肛門尖圭コンジローマの再発について
ウイルスが原因という性質上、外科的治療で見えるものを全て取り去っても2割から3割程度の患者さまに再発するとされており、手術後も注意が必要です。完全に治癒したと思っても治療後、半年ぐらいまでは経過観察が大切になります。
数個の再発のケースには、外来診察時に追加切除や焼灼を行えます。まれにではありますが、一気に広がって再発してしまう場合もあり、数度にわたって取り除く処置が必要になることもあります。